GERARD DEPARDIEU
GERARD DEPARDIEU
ジェラール ドパルデユーに会ったのはたった2度だけ。
最初はハリウッド映画の「グリーン カード」GREEN CARD(80)という軽いロマンス喜劇に アンデイー マクダウェル ANDIE MCDOWELL と一緒に主演した時。
インタヴューをいやいやする態度が人間ぽくて、正直で自己中心なスターなのだなあと良い印象を受けました。
もう一度はどこかの映画祭のゲストとして登場した時。いつだったのか、どこの国だったかさえ覚えてないのですが、舞台の上でも、後のレセプションでも苦笑を満面に浮かべていました。
フランスの女優は繁くハリウッドに来ては、PRに励みますが男優はほとんど、ハリウッドの人気など無視、まずインタヴューなどに現れません。
今までインタヴューをしたフランス人男優は
ジャン レノ JEAN RENO
ヴァンサン カセル VINCENT CASSEL
ヴァンサン ペレズ VINCENT PEREZ
マチュウ アマルリック MATHIEU AMALRIC
ギャスパー ウリエル GASPARD ULLIEL
ぐらいのもので、スーパースターの
アラン ドロン ALAIN DELON
ジャン・ポール ベルモンド JEAN PAUL BELMOND
はもちろんのこと、
ジャン デユジャルダン JEAN DJUARDIN
ダニエル オーターユ DANIEL AUTEULL
などの中堅スターたちもまずハリウッドにやって来ません。
さて渋々30年前にやってきたジェラードは、一刻も早くこの場所から逃げ出そうという、ほとんど半腰のような状態で
英語が分かるはずなのに、良く分からない、と返してきます。役者馬鹿という評判を背負っているタイプですから
私達も挑戦したりせず、柔らかく、機嫌を取るようなトーンで質問するのですが、それをとうに察知している彼ですから
木で鼻をくくったような返答ばかり。
何度も書いてますが嘘っぽい笑顔や愛嬌を売るタレントたちがひしめくハリウッドでは、こういうわがまま、正直、勝手なスターたちのほうがずっと魅力的に見えます。
1948年12月27日 フランスの真ん中にある、インドレ河沿いのシャトールー CHATEAUROUX に、肉工場に働く父親と母のもとに生まれ、13歳で学校をやめ、印刷工場に務めるものの、盗みやらの悪事に走る
非行少年でした。
16歳でパリに行き、コメデイー劇場で舞台の楽しさを知り、俳優を志します。
教育はなくてもずば抜けた頭脳と演技の才能でテレビや映画の仕事も入り、体格の良い警部などの役で注目されました。
当時のジェラードはそれなりに男前で、セックスアピールがあって、曲がった鼻もユニークな存在感を見せて魅力の一つだったでしょう。
1970年に女優のエリザベス ギギノー
ELISABETH GUIGNOT と結婚、71年に息子のギローム
GUILLAUME 、73年に娘のジュリー JULIE が生まれます。ギロームはハンサムな俳優に成長しましたがドラッグで体を壊し、肺病から足を切断する破目になり、08年に37歳の若さで亡くなりました。
父と子の仲はあまり良くなかったようですが亡くなる前に絆を戻したそう。
イタリアの名監督、ベルナルド ベルトリッチ
BERNARDO BERTOLUCCI の「1900」(76)という映画でロバート デ・ニーロ ROBERT DE NIRO と共演して世界中から注目されました。
波乱万丈の生き方をするジェラードは超美人からモテモテで結婚などお構いなく華やかなロマンスを展開、中でも長続きしたのは97年から05年まで交際していたフランスきっての美人女優、キャロル ブーケ CAROL BOUQUET との恋愛でしょう。
モデルにして「フォア ユア アイズ オンリー」
FOR YOUR EYES ONLY(81)でボンドガールを演じ、キャロル自身もジェットセッター達との諸々の交際で知られています。
ナターシャ キンスキー NASTASSJA KINSKI 、イザベル ユペール ISABELLE HUPPERT 、などなど女優との恋も色々ありました。
結婚せずに生まれた子供も数人、ジェラードにルールは当てはまりません。
ワタクシの勝手なセオリーですが美人がとかく野獣系に惹かれるのは、横にいると自らの美しさを引き立ててくれることは言うまでもなく、ジェラードの場合はワイルドで、乱暴な中に何かしら繊細な要素を覗かせ、それが美女たちの琴線に触れるのではないでしょうか。
おとなになっても非行少年のままのようで、飲酒運転で捕まって、一日にワインなら14本は飲むと豪語し、2011年パリからダブリン行きの飛行機内でベルト着用の離陸寸前にトイレに行こうとしてアッテンダントに注意されたことに腹を立てて、コップの中におしっこしたら溢れてしまい、機内から追い出され飛行機は2時間遅れて出発(後に前立腺のトラブルで頻尿と弁解)フランスの税金が高いとまずベルギーに移民し、これをフランス政府に批判されたら、ロシアのプーチンがどうぞロシアに来て下さいと招待が来たり、情事は数知れず、最近になってもセクハラで文句をつけられたり、ジェラード70歳の2018年には22歳の女性からレイプで訴えられたりしています。
これまでに出演した作品の合計が232本と物凄い数です。
若い時のマッチョな男前の時はいざしらず、最近は異常に太ったりして、漫画チックになってしまいましたが、それでも、まだまだ映画やテレビの企画は目白押し、やはり俳優のアピールは外見だけでなく、内面から湧き上がってくる情感と個性なのだなあ、と思った次第。
料理コンテストで日本のラーメン屋に負けてしまい、日本に味修行に出かけるフランス人のシェフという役どころの 「旨味の旅」(20?)という映画に出演したようですが今の所 コロナ危機のためか 宙ぶらりんになっている模様。
何となく陳腐なストーリーに聞こえますが、まだまだ詳細は分かりませんので、余り「深み」は期待せずに、どんな珍道中を見せるのか、楽しみにして待ちましょう。
追記:2020年5月22日(土)
昨夜、ジェラードの一大活躍史劇「フォート サガン」
FORT SAGANNE(84)を観ました。1911年のフランス。アフリカのサハラ砂漠地帯を植民地化するために兵隊を送ってべドウイン族などを強引にコントロールしようと強欲なフランス。
ジェラードは農民出身の士官、事あるごとに出自を問われるまだまだエリート主義のフランス。
「アラビアのロレンス」LAWRENCE OF ARABIA (62)は英国の植民地政策にまつわるスパイ活動、同時期の「フォート サガーン」も同様にアフリカを征服しようと諸々の参謀会議を展開し、将軍への道を企む出世の鬼が暗躍するフランス。
その後第1次大戦の最前線に派遣されて再び勇気にあふれて兵隊の先頭に立つジェラード、過去の戦争と同じように兵隊を無駄に使うパワーハングリーな国、フランス。
堂々3時間余りですが、まだスリムなジェラードの凛々しい制服姿、出世よりも正義の意識、言い寄る女性たちを制して、カトリーヌ ドヌーヴ CATHERINE DENEUVE と繰り広げる終わらぬベッドシーン、リッチなおぼこ娘のソフィー マルソー SOPHIE MARCEAU のジェラードへの一途な想い、などなどメロドラマの要素もたっぷりで、壮大なロマン 歴史劇が堪能できました。
機会があったら是非ご覧になって下さい。
ジェラール ドパルデユーに会ったのはたった2度だけ。
最初はハリウッド映画の「グリーン カード」GREEN CARD(80)という軽いロマンス喜劇に アンデイー マクダウェル ANDIE MCDOWELL と一緒に主演した時。
インタヴューをいやいやする態度が人間ぽくて、正直で自己中心なスターなのだなあと良い印象を受けました。
もう一度はどこかの映画祭のゲストとして登場した時。いつだったのか、どこの国だったかさえ覚えてないのですが、舞台の上でも、後のレセプションでも苦笑を満面に浮かべていました。
フランスの女優は繁くハリウッドに来ては、PRに励みますが男優はほとんど、ハリウッドの人気など無視、まずインタヴューなどに現れません。
今までインタヴューをしたフランス人男優は
ジャン レノ JEAN RENO
ヴァンサン カセル VINCENT CASSEL
ヴァンサン ペレズ VINCENT PEREZ
マチュウ アマルリック MATHIEU AMALRIC
ギャスパー ウリエル GASPARD ULLIEL
ぐらいのもので、スーパースターの
アラン ドロン ALAIN DELON
ジャン・ポール ベルモンド JEAN PAUL BELMOND
はもちろんのこと、
ジャン デユジャルダン JEAN DJUARDIN
ダニエル オーターユ DANIEL AUTEULL
などの中堅スターたちもまずハリウッドにやって来ません。
さて渋々30年前にやってきたジェラードは、一刻も早くこの場所から逃げ出そうという、ほとんど半腰のような状態で
英語が分かるはずなのに、良く分からない、と返してきます。役者馬鹿という評判を背負っているタイプですから
私達も挑戦したりせず、柔らかく、機嫌を取るようなトーンで質問するのですが、それをとうに察知している彼ですから
木で鼻をくくったような返答ばかり。
何度も書いてますが嘘っぽい笑顔や愛嬌を売るタレントたちがひしめくハリウッドでは、こういうわがまま、正直、勝手なスターたちのほうがずっと魅力的に見えます。
1948年12月27日 フランスの真ん中にある、インドレ河沿いのシャトールー CHATEAUROUX に、肉工場に働く父親と母のもとに生まれ、13歳で学校をやめ、印刷工場に務めるものの、盗みやらの悪事に走る
非行少年でした。
16歳でパリに行き、コメデイー劇場で舞台の楽しさを知り、俳優を志します。
教育はなくてもずば抜けた頭脳と演技の才能でテレビや映画の仕事も入り、体格の良い警部などの役で注目されました。
当時のジェラードはそれなりに男前で、セックスアピールがあって、曲がった鼻もユニークな存在感を見せて魅力の一つだったでしょう。
1970年に女優のエリザベス ギギノー
ELISABETH GUIGNOT と結婚、71年に息子のギローム
GUILLAUME 、73年に娘のジュリー JULIE が生まれます。ギロームはハンサムな俳優に成長しましたがドラッグで体を壊し、肺病から足を切断する破目になり、08年に37歳の若さで亡くなりました。
父と子の仲はあまり良くなかったようですが亡くなる前に絆を戻したそう。
イタリアの名監督、ベルナルド ベルトリッチ
BERNARDO BERTOLUCCI の「1900」(76)という映画でロバート デ・ニーロ ROBERT DE NIRO と共演して世界中から注目されました。
波乱万丈の生き方をするジェラードは超美人からモテモテで結婚などお構いなく華やかなロマンスを展開、中でも長続きしたのは97年から05年まで交際していたフランスきっての美人女優、キャロル ブーケ CAROL BOUQUET との恋愛でしょう。
モデルにして「フォア ユア アイズ オンリー」
FOR YOUR EYES ONLY(81)でボンドガールを演じ、キャロル自身もジェットセッター達との諸々の交際で知られています。
ナターシャ キンスキー NASTASSJA KINSKI 、イザベル ユペール ISABELLE HUPPERT 、などなど女優との恋も色々ありました。
結婚せずに生まれた子供も数人、ジェラードにルールは当てはまりません。
ワタクシの勝手なセオリーですが美人がとかく野獣系に惹かれるのは、横にいると自らの美しさを引き立ててくれることは言うまでもなく、ジェラードの場合はワイルドで、乱暴な中に何かしら繊細な要素を覗かせ、それが美女たちの琴線に触れるのではないでしょうか。
おとなになっても非行少年のままのようで、飲酒運転で捕まって、一日にワインなら14本は飲むと豪語し、2011年パリからダブリン行きの飛行機内でベルト着用の離陸寸前にトイレに行こうとしてアッテンダントに注意されたことに腹を立てて、コップの中におしっこしたら溢れてしまい、機内から追い出され飛行機は2時間遅れて出発(後に前立腺のトラブルで頻尿と弁解)フランスの税金が高いとまずベルギーに移民し、これをフランス政府に批判されたら、ロシアのプーチンがどうぞロシアに来て下さいと招待が来たり、情事は数知れず、最近になってもセクハラで文句をつけられたり、ジェラード70歳の2018年には22歳の女性からレイプで訴えられたりしています。
これまでに出演した作品の合計が232本と物凄い数です。
若い時のマッチョな男前の時はいざしらず、最近は異常に太ったりして、漫画チックになってしまいましたが、それでも、まだまだ映画やテレビの企画は目白押し、やはり俳優のアピールは外見だけでなく、内面から湧き上がってくる情感と個性なのだなあ、と思った次第。
料理コンテストで日本のラーメン屋に負けてしまい、日本に味修行に出かけるフランス人のシェフという役どころの 「旨味の旅」(20?)という映画に出演したようですが今の所 コロナ危機のためか 宙ぶらりんになっている模様。
何となく陳腐なストーリーに聞こえますが、まだまだ詳細は分かりませんので、余り「深み」は期待せずに、どんな珍道中を見せるのか、楽しみにして待ちましょう。
追記:2020年5月22日(土)
昨夜、ジェラードの一大活躍史劇「フォート サガン」
FORT SAGANNE(84)を観ました。1911年のフランス。アフリカのサハラ砂漠地帯を植民地化するために兵隊を送ってべドウイン族などを強引にコントロールしようと強欲なフランス。
ジェラードは農民出身の士官、事あるごとに出自を問われるまだまだエリート主義のフランス。
「アラビアのロレンス」LAWRENCE OF ARABIA (62)は英国の植民地政策にまつわるスパイ活動、同時期の「フォート サガーン」も同様にアフリカを征服しようと諸々の参謀会議を展開し、将軍への道を企む出世の鬼が暗躍するフランス。
その後第1次大戦の最前線に派遣されて再び勇気にあふれて兵隊の先頭に立つジェラード、過去の戦争と同じように兵隊を無駄に使うパワーハングリーな国、フランス。
堂々3時間余りですが、まだスリムなジェラードの凛々しい制服姿、出世よりも正義の意識、言い寄る女性たちを制して、カトリーヌ ドヌーヴ CATHERINE DENEUVE と繰り広げる終わらぬベッドシーン、リッチなおぼこ娘のソフィー マルソー SOPHIE MARCEAU のジェラードへの一途な想い、などなどメロドラマの要素もたっぷりで、壮大なロマン 歴史劇が堪能できました。
機会があったら是非ご覧になって下さい。
1984「フォート サガーン」ジェラードとカトリーヌ (従軍看護婦ですが、本当は敏腕ジャーナリスト) |
砂漠のサガーン! |
1990「グリーン カード」プリント写真を撮影したのでこんな荒いものになってます。 オリジナルは例によって倉庫の箱の中でしょう。 |
1990 評判を読んだ「シラノ ドベルジュラック」 |
1990 |
1990「グリーン カード」アンデイー マクダウルと。 |
1990「グリーン カード」アンデイー マクダウェル と。 |
1988 ロダンを演じてます。 |
1988「カミール クロデール」イザベラ アジャーニ とジェラールは ロダン 役。 |
1990「シラノ。。」から。 |
1998「仮面の男」左はジェレミー アイアンズ。 |
若い頃、細くてハンサムで、いかにも悪そう。 |
キャロル ブーケ と。 |
娘御のジュリーと。 |
エリザベス夫人と若いジェラード。 |
非行老人! |
フランスのスター歌手、ジョニー オリデー と。 |
イザベル ユペール と。 |
パリから2時間20分のジェラールの故郷、シャトールー。 |
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