LITTLE RICHARD 1932 - 2020

LITTLE  RICHARD    1932 - 2020


歌手のリトル リチャードが5月9日に87歳で亡くなりました。
骨のガンだったそうでかなり前から、車椅子で舞台に登場していました。
あの叫ぶような声、クレイジーな動き方、足でピアノを弾いたりの猛烈なエネルギーの爆発が彼のトレードマークでした。

2度ほどリトル リチャードに会ったのですが、演奏していない時でも体中の細胞が飛び出てくるような、一瞬もじっとしていない高揚と興奮のるつぼのような、寝ていない間はパーフォーマンスに生きているようなスター、人の前で、歌ったり喋っているのが楽しくてしょうがない、それが周囲にたちまち伝染するようなパワーが溢れてました。

1度はハリウッドにある監督組合 DIRECTORS GUILD THEATER のシアターのロビーで小さなバンドと数曲演奏した時に間近で見たのですが、既に60歳を過ぎていて小太りの体から汗を放散してピアノを叩いては、あの高い声を捻り出して、猛烈なプレイでした。

終わったあと、近くで彼を見ると眉毛、口ひげ、もみあげ
などを濃く仕上げたメークアップ用の黒い墨が汗で流れ落ちて何とも奇天烈な顔になってましたが、当人は全く気にせずにこにことファンと応対していました。
パーフォーマンスが何よりも好きで、それを喜んでもらうと、天真爛漫に嬉しがるリトル リチャードの生きがいが伺えました。
白い衣装に汗と墨が垂れているのも全く無視。
旺盛なサービス精神にも仰天しました。

既に色々なところで彼のカラフルな生涯が紹介されていますが簡単にまとめてみましょう。

1932年12月5日 ジョージア GEORGIA 州のメコン
MECONに リチャード ウェイン ペニマン 
RICHARD WAYNE PENNIMAN として生まれ、生まれた時から脚の長さが違ってそのために変わった歩き方をしていたそう。頭が巨大なこと、目の大きさも違って気にしていたとか。
子供の時はひどく小さかったために「リトル リチャード」という仇名が付いて、それがステージネームにもなりました。

ゲイだったというのは周知の事実ですし、覗きが大好きというのも知られています。女性ともデイトをして、1959年には結婚もして、ダニー ペニマン  DANNY PENNIMAN という息子も生まれています。
後に何もかもを愛する「パンセックス」PAN SEX という言葉を好んでました。
一時はボーン・アゲイン クリスチャンとして、牧師になる資格をとったのはゲイであることの罪意識なのか、ボクサーのジョージ フォアマン GEORGE FOREMAN も一時、教会で説教をしていましたし。

フォルセット FALSETTO の高い声から、お腹から出る太い声(ベルテイング)BELTING まで、自由自在に歌いまくって、英国ではクライマックスのあと、バタンと舞台で倒れて死んだふりをして観客を心配させたり、喜ばせたりしたのも有名な逸話の一つ。

映画にも顔をだして「ダウン アウト イン ビバリー ヒルズ」DOWN OUT IN BEVERLY HILLS (86)「ドント ノック ザ ロック」DON'T KNOCK THE ROCK (56)などなど。

2020年5月8日 テネシー州 TENNESSEE のタラホマTULLAHOMA で コロナの年を去りました。
天国でピアノを蹴飛ばし、メークの墨を飛び散らせて、大好きな曲を高らかに歌っていることでしょう。


1980年後半 のショットでしょう。ワタクシも若い!


若い頃のリトル リチャード


足でピアノを弾く有名な場面

大昔のグラビア写真

この頃ライブを見たのでしょう。いかにも溶けそうなメイクが見えます。

息子のダニーと。

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