ARMENIAN DINNER


ARMENIAN  DINNER


かなり昔からの友人にアヴォ AVO と言うアルメニア人が居ます。

コントラクター CONTRACTOR という職業で建設、改築から小さな台所の模様替えなどに不可欠の文字通り、「契約業」、つまり大工さん、工事用の技師や、エキスパート、電気技師、ペンキ屋、などなどを集めて、彼らに指示を与え、監督し、建築法に基づいて工事をしているかをチェックし、政府の要求に沿った工事をしていますと書類にサインすると言う複雑な仕事をする専門家なのです。

20年以上も前に一軒家に住んでいた時、車庫の上に部屋を建てた時も既に友人だったアヴォがコントラクターとして働いてくれました。

カルフォルニアの建設現場の工事人はほとんどスペイン語を話すメキシコ、ガテマラ、エル サルバドール人たちなので、コントラクターたるもの、スペイン語を話さないとスムースに事が運びませんからアヴォも流暢なスペイン語を使い、その上に自国語のアルメニア語、イランのペルシャ語 PERSIAN (ファーシ)FARCI アラブ語、英語を話します。

アルメニア人はユダヤ人よりも頭が良くて、金銭感覚に鋭いと言われますし、アヴォは旺盛な読書家なので世界中の歴史と現在の状況を把握し、若い時はハンサムでモテたそうですし、お髭になってからはショーン コネリー SEAN CONNERY に似ていると評判のダンデイーなコントラクターなのでした。

引退して既に10年ぐらい経ち、ずっと会ってなかったので近所の歯医者さんに行く機会を利用して電話をしたら、すぐに来い、ヨーコの大好きなアルメニアン バーベキューをするから!という「待ってました!」というトーンの返事。

住所を聞かなかったのは何度も行った場所なのですぐ思い出すと思ったからですがやっぱりシニアの記憶は曖昧になって、道の名前を思い出しては往ったり来たりして、山の上の広いお屋敷にやっと到着、プールの横から麦わら帽子をかぶったアヴォがひょろりと現れました。

アヴォの奥様はシャケ CHAKER と言って(ずっと食べ物の鮭を思い出して名前を暗記)お料理を素早く、手順良く作っている典型的な中近東のやりてママです。バーベキューのお肉はアヴォに任せて、台所で、能率よくヨーグルトのサラダ、シチュー、おナスの料理、ワタクシが大好きな、ターデイッグ

TAHDIG  と呼ばれる焦げ目付きライスを覚えていてくれて、これもしっかりと炊いてくれました。

おこげが有名で、「ボトム オブ ザ ポット」BOTTOM OF THE POT (お鍋の底)とも呼ばれています。

アヴォたちの長女のカリーナ KARINEH と旦那さまのゼヴェンZEWEN とワン公が加わって、賑やかでカラフルな食卓に。

昔話から、目下、トルコが執っている対アルメニア対策への痛烈な批判の声など、普通の世間話のレベルを遥かに上回るエキサイティングな話題が盛り沢山、おまけにカリーナたちの結婚式の話も仰天のオリジナルな内容で(約100人の出席者は2日から5日ほど、お金持ちの子供たちが使う森の中のキャビンでキャンプ)緩んでいた脳細胞が少しばかり引き締まる思いがしました。

ちなみにトルコのアルメニア人大量虐殺事件はユダヤ人のホロコーストと比較される悲劇で、1915年から17年の間にトルコのオットマン帝国が約150万人のアルメニア人を殺したと言われています。最近になってやっと世界中の多くの政府がこの事件を歴史的に認め始めました。詳しいことはご自分でお調べ下さい。


あいにくとワタクシはこの日に腰が痛くてあまり精力的に会話やお食事、ワン公とのお遊びに参加できず、腰を曲げないようにおっかなびっくりで椅子に座ってばかりと言う、ワタクシにしては珍しいだらけた状態の夕べなのでした。

アヴォはまたいつでもいらっしゃいと慈愛の眼差しでワタクシ達を送ってくれて、背中の痛みをしばし忘れる寂しい別れの時間となったのです。


カリーナ、アヴォ、シャケ、ワンちゃん、ワタクシ、ハンス




シャケの手料理、真ん中がおこげライスのターデイッグ。



床に座っているのがカリーナ。ゼヴェン、アヴォ、ハンス











ヨーグルトのサラダ デイップ (ネットから)

アルメニアのほうれん草デイップ (ネットから)

おこげが美味しい ターデイッグ (ネットから)


 


ゼヴェン、アヴォ、後ろにシャケ、ワン公、ハンス



カリーナ、アヴォ、シャケ、ワン公、ワタクシ、ハンス

ワン公が隠れている図。





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